Fragrant Drive ラストライブ『Fragrant Drive Last One-Man Live “SING FOR YOU”』開催【ライブレポート】


Fragrant Driveは2025年7月20日(日)にWWWでラストライブ『Fragrant Drive Last One-Man Live “SING FOR YOU”』を開催した。
2024年12月28日(土)に解散を発表したFragrant Driveのラストライブ『Fragrant Drive Last One-Man Live “SING FOR YOU”』のオフィシャルライブレポートが到着したのでIDOL REPORT編集部に到着したので掲載する。
6人組グループのFragrant Drive(通称 フラドラ)が、2025年7月20日に『Fragrant Drive Last One-Man Live “SING FOR YOU”』を開催した。
解散発表から約7カ月を経ていよいよ迎えた本公演。集大成のステージにふさわしく、なんと全27曲、3時間を超える大ボリュームでおこなわれた。
トリプルアンコールが起こり、笑顔と涙であふれたラストライブ。メンバーそれぞれが舞台上で読み上げた手紙に綴られた、心のこもったメッセージを交えながらお届けする。
小日向美咲「さよならじゃなくて、またね」

公演当日の昼頃、メンバーによるラストライブに向けたTeaser Movieの「完全版」がYouTubeで公開。このサプライズにより、本番への気持ちをさらに高めたフレーバー(※ファンネーム)も多かっただろう。
会場に入ると、ファン一同から送られた2m以上はあるスタンドフラワーが目に飛び込む。ほか寄せ書きコーナーなどが設置され、グループへの感謝の気持ちがあふれる雰囲気のなか、いよいよラストライブがスタートした。
まずは、メンバー1人ひとりの紹介映像が流れていく。それぞれの歴代衣装が映し出される様子にスタッフからの愛を感じていると、いよいよEntrance Musicとともに6人がステージへ。
ファンたちが、ステージ袖から順番に登場するメンバーの名前を1人ずつ叫んでいく。そしてフラドラの面々が纏っていたのは、ライブの一週間前に発表されたばかりの新衣装。
グループカラーである赤を基調にしたドレスと、どの角度から見てもキラキラと輝くティアラが印象的だ。マイクにも真っ赤なリボンがあしらわれている。
そしてラストライブの一曲目は、グループ最後のデジタルシングルである『Nothing is Final』から始まった。板橋加奈がイントロで「最高の時間を過ごしましょう!」と高々に声をあげ、ファンたちのボルテージを一気に上げていく。
続けて披露された『Let It Flow』では、背後の妙幕にメンバーのシルエットが大きく映し出される演出に目を奪われる。勢いのまま『恋花』『ガルスピ~Smells Like Girl Spirit~』を歌い上げた6人は自己紹介MCへ。
「私たち、Fragrant Driveです!」といつもの挨拶をしたのち、全員が今日という最高の日を楽しむことへの意気込みを語った。

まだまだライブは始まったばかり。『リフレクト』『Growing Up』と続き『Magnet』ではフレーバーによる激しいクラップで会場内がさらに熱くなっていく。そして、身に付けたティアラもあいまってプリンセスにしか見えない小日向美咲が「いっぱいみんなの声聞かせてください!」と大きな声で煽る。
このライブでは、終盤にメンバーそれぞれから感謝の気持ちを綴った手紙が読まれた。
6人で合計約35分にも及んだ朗読時間のなか、以下は小日向美咲によるメッセージのほんの一部。
フラドラに入った当初は、思っていたことと違かったり、付いていけないなと感じることがあったりして、メンバーみんなの前で「辞めたい」と話したことがありました。でもみんなに支えられてここまで来たいまは、あのときにグループを去る決断をせずに本当に良かったなと思います。
こんな仲間想いのメンバーと、そして素敵なフレーバーのみんなと、それぞれ違う道を歩むことになるのはすごく悲しいです。でも私の心のなかには、ずっとずっとフラドラという一つの思い出が残り続けています。
みんなも、もし何かで落ち込むことがあれば『あのときは楽しかったな』ってフラドラのことを思い出してほしい。これからの人生少しでも、みんなの心の支えになれたらすごく嬉しいです。
Fragrant Driveとしての私を認めてくれて、本当にありがとうございました。みさうさは、さよならじゃなくて“またね”って、みんなとバイバイしたいと思います。だからみんな、またね!
小日向美咲 メッセージ より
三丸結愛「笑顔の絶えないあちあちの日々になりますように」

フラドラの勢いは止まらない。8曲目に『パピラヴ』そして『fancy drop love』『Everlasting First Kiss』と休まずにパフォーマンスを披露していった。
メンバーが一度ハケると、スクリーンに『Fragrant Drive Documentary ~はじめて香り立った場所~』として、公開されていたTeaser Movieを軸に6人のさらなる思いが語られる様子が映し出された。そこには「あなたにとってアイドルとは?」という問いにもまっすぐに応えていくメンバーそれぞれの姿があった。
映像のなかで三丸結愛は、“人生のなかでフラドラにいた3年間が一番成長した”と語っている。そしてステージ上で読み上げた手紙には、このようにメッセージを届けていた。
手紙じゃなくて、作文用紙にメッセージを書きました。泣かないように頑張って最後まで読みます。
自分のことは好きって思えないし、特技も何も思いつかないし、アイドル向いてないなと自分のすべてを否定して泣いた日もありました。でもみんながいてくれたから、あちのままでいても良いんだって思えたんだよ。
アイドル初めてのグループがフラドラで良かったです。今日でFragrant Driveがステージに立つのはラストで、明日の特典会が終われば本当に終わっちゃう。でもみんなが思ってくれる限り、フラドラはみんなの心に存在するからね。
好きなものを好きで居続けるのって、簡単なことじゃないと思うから。あちが入る前からフラドラを好きな方も、私がいるフラドラを好きになってくれた方も、ずっと変わらずフラドラを好きで居続けてくれて、ありがとう。
またどこかで会えたときは、元気な顔でまた会おうね。ここにいるすべての方の人生が、幸せで笑顔の絶えないあちあちの日々になりますように。
三丸結愛 メッセージ
乃上恋々「大好きだよ、みんな」

映像が終わると、メンバーたちがステージへ舞い戻る。
そして『You’re My Sunshine』と『ふたりのストーリー』から続けてパフォーマンスされた。13曲目『星に願いを』では、乃上恋々が落ちサビを披露する際、涙で声を震わせてしまう。しかし、すぐに笑顔を取り戻しながら最後まで華麗に歌い上げていた。
そんな乃上恋々は、涙を拭いすぎてびしょびしょになった手袋を外してから手紙を読み上げた。箇条書きに綴っていた文章も途中で読むことすらをやめ、まっすぐ前を向き思いを語った。
解散はメンバーも悔しいけど、フレーバーのみんなにも同じ思いをさせたことがいっぱいあったなと思って。それがここのなかでは悔いとして残っているなかで、最後の日にこんなにたくさんの顔が見れて、もう心から嬉しい気持ちです。
入ってすぐは、ここだけずっと落ちサビがなくて、みんなには心配かけちゃった。実際に、最近いただいたお手紙のなかに『最初はやめちゃいそうで……。』とたくさん書かれていて。でも結構、あれです、強いから。絶対やるって決めたらね、ちゃんとやるタイプなんです。
なんかもう、書いてあるのと全然違うこと喋ってる(笑)。
ここがアイドルを続けてこれたのは、あたたかいみなさんと、大好きなメンバーのおかげ。そして、ママとパパがたくさんお迎えとかを頑張ってくれたからだと思います。これからもね、みんなの心に明るくパンって、光をあげられたら……すごくすごく嬉しいなと思います。
大好きだよ、みんな。
乃上恋々 メッセージ
みんなの明るい、笑ってる顔が大好きです。これからもずっとずっと、いっぱい笑顔でいてください。みんな、ずっと大好きだよ。
片桐みほ「こんなに、オレンジが見えるとは思っていなくて」

ラストライブは『ゼンマイ仕掛けのロマンス』、そして『Dance Flight』と続く。間髪いれずにスタートした『そよ風のソーダ』では、片桐みほがフロア最前で光るオレンジのサイリウムたちに、そっと触れていく姿が印象に残る。
片桐みほは、メンバーで唯一アイドルから完全引退することを発表している。そんな彼女ならではの思いは、手紙のなかで伝えられた。
メッセージを送りたいので、みなさんサイリウムを推しメンの色に変えてもらってもいいですか。本当にあの、忖度なしで(笑)。
じゃあまず、紫、白、ピンク、水色、緑、そしてグループカラーの赤を持ってる人は振ってください。
フラドラのほかのメンバーはみんな個性があって、素敵で、優しくて、私にとってすごく誇らしいメンバーたちです。これからそれぞれが進む道でも、絶対ビッグになると思っています。今までグループと推しメンがいるなか、私とも仲良くしてくれてありがとうございました。
そして、オレンジを持っている人、振ってもらっていいですか……?
――ありがとう。
こんなにオレンジが見えるとは思っていなくて、とても嬉しいです。みなさんに出会えてよかった。今日ここには来れなかったファンの方も含めて、一人でも欠けてほしくない私の宝物たちです。
私は、本日をもってステージから降ります。これからのことは落ち着いたらじっくり考えて、少しずつ前に進んでいくつもりです。
でも、見えていないだけで私は存在し続けているから。いつまでもみなさんの記憶のなかにいてくれたら、そしてたまに思い出してくれたら、これ以上のことはありません。
私もみんなと出会えて、とても幸せでした。
片桐みほ メッセージ
辻梨央「今日の私は、輝いていますか?」

怒涛の勢いで進み続けるフラドラのラストステージ。MCを挟むことなく17曲目の『I’m a Dreamer』が始まったと思えば、過去の『Overture』が流れるサプライズ演出も。
さらに、本公演の直前におこなわれていた“サブスク解禁祭り”の一角『イージーモードじゃつまらない!』、“今しかないこの瞬間を 大切に胸に焼き付けよう”という歌詞があまりにも染みる『Your Opal』も披露された。

続けざまに流れ出した『まともじゃないわ』、そして『ぼくらのうた』では、辻梨央が『もっとついてこいよ!』とシャウトし会場のボルテージをさらに一段階引き上げていく。
そんな辻梨央は手紙を読み上げるなかでも、オーディエンスを涙と笑いに包んでいた。
昔から自己肯定感が低く、いろんな人に“器用貧乏だね”と言われていました。そして完璧じゃなきゃと思ってる割に、いつも取るのは平均点ばかり。そんな何も突き抜けない自分がずっと嫌でした。
でもみんなと出会って、りおちゃんの歌が好きとか、ダンス好きとか、顔が好きとか、スタイルが好きとか、鼻が好きとか、肩が好きとか、おへそが好きとか、そう言ってくれて。みんながたくさん伝えてくれた好きのおかげで、完璧じゃなくたって良いと思えるようになったよ。
これから、もしみんなが素敵な人に出会えたときは嫉妬しちゃうけど、その人にたくさん好きを伝えてあげてください。みんなの好きっていう言葉は、アイドルを輝かせる魔法です。ファンのみんなにとってアイドルがキラキラした存在だとしたら、それを輝かせてるのはみんなだよ。
今日の私は、輝いていますか……?
今日、フラドラという道はここで終わって、私たちはみんなをここに置いていきます。でも、これからメンバーが歩むそれぞれの道にまた付いていきたいと思ったときは、追いかけてきてね。
でもね、私たちを選ばなくたっていいんだよ。もしまた本当に好きだなと思ってもらえたらでいいんだよ。ずっと待ってるし。そのときは私たちがまたきっと、みんなの居場所になれると思うから。
辻梨央 メッセージ
板橋加奈「いつでも私たちは、みんなのそばで香り続けています」

そして、この歌がラストの曲である紹介とともに『好きだ!』が流れると、ファンもさらにコールへ熱が入る。ハートポーズを高く掲げてジャンプするフレーバーたちとメンバーからは、本当に“いま”を噛み締めている様子が伝わった。
「私たち、Fragrant Driveでした!」大きな拍手が起きるなか、メンバーたちはステージを去った。
「フーラドラ! フーラドラ!」
ほどなくして、フロアからはまだ終わりたくないと叫ぶファンたちによる大合唱が。その呼びかけに応えるようにメンバーが再登場すると『Evergreen』を披露してフレーバーを沸かす。

そして、ファンが会場にいる全員に配っていたサイリウムは、このタイミングで一斉点灯。落ちサビで波のように揺れる真っ赤な光たちは、6人の目にどう映ったのだろうか。
曲が終わると、先程から紹介していたメンバーからの手紙を読む時間へ。
最後にメッセージを読み上げたのは、リーダーの板橋加奈。しかし順番が来ても、あふれそうな涙をこらえるのに精一杯で、20秒以上も声を出し始めることができなかった。
メンバーやファンは、そんな彼女の姿をあたたかく、じっくりと見守った。
私はアイドル活動を始めて10年目で、フラドラとしては約9年の月日を過ごしてきました。小さい頃から芸能の世界に憧れを抱くなか、いつからかアイドルになるのが夢になり、ずっと家族に内緒でオーディションを申し込んでいました。
19歳の頃、看護学校に通いながら、アイドルの夢を諦めずに福島での活動をスタート。夢は大きくなる一方で、お母さんに東京でアイドル活動をしたいと、過呼吸になりながらも伝えました。学校も、同級生全員の前でアイドルになる宣言をしたうえで辞め、決意を持って上京してきました。
実際は、私1人じゃ何もできなくて、頼れるリーダーでもなくて。付いてこいって背中を見せることすらできなくて。そんな私だったけど、一緒にこのフラドラを強くしてくれて、守ってくれたメンバーがとってもかっこよくて、本当に大好きです。
そしてここまで、私の好きなように過ごさせてくれたパパ、ママ、そしてお姉ちゃんには本当に感謝しています。たくさん迷惑かけたけど、いつも私の夢を応援してくれてありがとう。
この先の人生、辛いことや悲しいことが起きるかもしれません。そんなときはこの場所、この時間を思い出してほしいし、またフラドラの音楽を聴いてほしいなって思います。
いつでも私たちは、みんなのそばで香り続けています。私を、板橋加奈にしてくれてありがとう。そしてFragrant Driveに出会ってくれて、本当にありがとう。みんなのことが、大好きです。
板橋加奈 メッセージ
Fragrant Drive「終わりだけど、終わりじゃない」
メンバー全員が手紙を読み終えたあと、辻梨央が語りだす。
「Fragrant Driveがなくなったあと、次に違うところに行く人もいるかもしれないじゃない。いやだけど(笑)。でもそういう面ではね、新しいみんなのスタートだと思って。『終わりだけど、終わりじゃないよ』という意味を込めて最後に歌わせていただきます。」
すると、本日2回目の披露である『Nothing is Final』が流れ出した。

ライブ後半のタイミングで“最後の夜になると思うよ”と聴くだけで、また違った景色が見えてくる。全員でギュッと輪になるパートを見て込み上げてきたのは、より強い悲しさと愛しさだ。
堂々たるパフォーマンスを終えたのち、メンバーはまたステージを去った。
なんとここで、ファンからまたもアンコールが始まる。ダブルアンコールだ。するとメンバーたちもステージに舞い戻り『Seed of Departure』『Stay Gold』と、ファンと共創できる曲を連続で披露した。
そして記念撮影をするタイミングで、またもやフレーバーたちからのサプライズ。一人ひとりにアルバムがプレゼントされると、6人は大事そうに胸へ抱き寄せた。
そしてメンバーが感謝の気持ちをフロアに伝えながらステージを去ると、もはや当たり前のようにトリプルアンコールが開始。そして6人が、足早に舞台へと駆けつける。
そしてメンバーからの提案により、会場がまたもや真っ赤なサイリウムで染まっていく。「この景色を忘れない」辻梨央の言葉とともに、正真正銘のラストソング、そしてフラドラのデビュー曲である『胸の奥のVermillion』が披露された。
最後には、6人が一列に並んで手を握り合い、マイクなしでの心のこもった挨拶をしたのち、順々に舞台を後にする。

最後にリーダー板橋加奈が「Fragrant Driveの応援ありがとうございました!」と叫び、最高の笑顔を見せながらステージを去って『Fragrant Drive Last One-Man Live “SING FOR YOU”』は幕を閉じた。

――視覚・聴覚を刺激し、私たちの心を踊らせ続ける“アイドル”という存在。そういえば、嗅覚という五感の一つが働いたときに、ふと思い出すグループはほかにいるだろうか。
いや、いない。
Fragrant Driveは、唯一無二のアイドルグループだ。
(TEXT:川上良樹 / PHOTO:ヨダマコト)
『Fragrant Drive Last One-Man Live "SING FOR YOU"』セットリスト
Opening(映像)
Entrance Music
M1.Nothing is Final
M2.Let It Flow
M3.恋花
M4.ガルスピ~Smells Like Girl Spirit~
MC
M5.リフレクト
M6.Growing Up
M7.Magnet
M8.パピラヴ
M9.fancy drop love
M10.Everlasting First Kiss
(映像)
M11.You’re My Sunshine
M12.ふたりのストーリー
M13.星に願いを
M14.ゼンマイ仕掛けのロマンス
M15.Dance Flight
M16.そよ風のソーダ
M17.I’m a Dreamer
Overture
M18.イージーモードじゃつまらない!
M19.Your Opal
M20. まともじゃないわ
M21. ぼくらのうた
M22. 好きだ!
MC
En1.Evergreen
MC (手紙)
En2.Nothing is Final
En3.Seed of Departure
En4.Stay Gold
En5.胸の奥のVermillion
MC
Photo Gallery

















本日7月20日(日)渋谷WWWにて『Fragrant Drive Last One-Man Live
— Fragrant Drive(フラグラント ドライブ) (@FD_LTG) July 20, 2025
"SING FOR YOU"』ありがとうございました🌹✨️✨️#フラドラ #フラドララストライブ pic.twitter.com/1UYKBMCpkq
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