【コラム】ʚきゅん♡みっしょんɞ 1夜限定復活に寄せて

ʚきゅん♡みっしょんɞ

ʚきゅん♡みっしょんɞ 2年振りの1夜限定復活!

2023年3月21日(月・祝)に約2年間の活動期間をもって無期限活動休止したセルフプロデュースのアイドルグループ「ʚきゅん♡みっしょんɞ」(以下、きゅんみっしょん)が、今年2025年3月20日(木・祝)に1夜限定で復活することは、今この記事を読んでいる方ならすでにご存知ではないだろうか。

ライブ当日は、きゅんみっしょんと▷こすもえっ!♡.cuteのツーマンライブ形式となっている。

詳細は下記の通り。

『ʚどっきゅ〜♡みっしょんɞーきゅんみ×こすもえツーマンー』 詳細

日付:
2025年3月20日(木・祝)

時間:
開場 17:00 / 開演 17:45

会場:
秋葉原サウンドノート

出演:
ʚきゅん♡みっしょんɞ / ▷こすもえっ!♡.cute

料金:
特典付き最前チケット Sold out

一般 1,500円(+1D)

当日 2,000円(+1D)

チケット:https://t.livepocket.jp/e/kyuncosmo

……と、本記事はきゅんみっしょん1夜限定復活の宣伝をお手伝いする目的となっているので、ここまでの情報で目的のほぼ9割は達成……しているのだけど、それだけを伝えて終わらせてしまうのはちょっと寂しいし物足りない。なにせ、2年振りにきゅんみっしょんが復活するのである。

それならばということで、きゅんみっしょんお披露目の日にたまたま現場に居合わせたところから始まり、無期限活動休止ライブワンマンライブまで見届けた本コラムの筆者であるあまりりす運営・風のイオナが、改めて客観と主観を合わせてきゅんみっしょんの2年間に及ぶ活動や魅力を、本コラム執筆を通して振り返ってみたいと思う。

衝撃だったお披露目ライブでのメディア召喚

きゅんみっしょんの初期メンバーはちや・ゆうか・なのの3人編成で、お披露目ライブは2021年3月21日(日)に渋谷スターラウンジで開催されたSoiree brilliance主催の対バンイベント『オードブルの作り方』だった。同イベントにはあまりりすも出演しており、事前に「きゅんみっしょんはこのイベントでデビューするセルフプロデュースのグループだ」という情報を主催から聞かされていた程度で、特に気にも留める存在ではなかったのを覚えている。

ライブ自体は残念ながら回しの関係もあってリアルタイムで観ることができなかったのだが、筆者が1本目のライブを終えて渋谷スターラウンジに着いた時に、衝撃の光景を目にすることになる。なんと、渋谷スターラウンジの会場外できゅんみっしょんのメンバー3人が出演後にメディア陣の取材を受けているシーンに遭遇したのである。

思わず目を疑った自分だが、そのことを主催に聞いてみると、どうやら自分たちで各メディアに連絡して今日のお披露目ライブに取材に来てもらったらしいということがわかった。後日、ライブレポートが別のアイドルメディアに掲載されたので、恐らくそのメディアから出演後にコメントを求められていたところだったのだろう。

そんな光景を見ながら筆者は「メディアの使い方を知っているなんて、メンバーの中にそういった仕事をしている子でもいるのかな? やるなぁ。」なんて感想を抱いたりしたのだが、実際は『セルフだからこそやれることはなんでもやってみよう』の精神だったと思われる。大人の運営が付いているグループですらそこを実行できるグループは滅多に見ない世界なので、お披露目時の『メディア召喚事件』のインパクトは強く記憶に残り、筆者がきゅんみっしょんを一目置くきっかけになったのである。

さて、時系列が前後するが、お披露目ライブの模様を、後に一般のファンの方によって公開された動画で観させて頂いたところ、カバー曲に沸き曲とは程遠いfemme fataleの『安眠swimming』をチョイスしていたり、グループ名をそのまま冠したオリジナル曲『ʚきゅん♡みっしょんɞ』のオシャレなサウンド感から、ほんのりサブカル楽曲派界隈が好きな子たちなのかも、的な雰囲気を感じ取った筆者は、きゅんみっしょんに惹かれ始め、主催イベントに声をかけたり、イベントが被れば積極的にライブを観たりするようになっていったことも付け加えておこう。

きゅんみっしょんがテレビに出てる!?

さて、お披露目ライブでの彼女たちの行動力に多大な刺激を受けながらも、それを超える事件が起きることになる。それはお披露目から約一か月が過ぎた2021年4月21日(水)の夜のこと──。

その日、自宅で仕事をしながら時折Twitter(名称は当時)も見ていた筆者の目に飛び込んできたのは『きゅんみっしょんがTVに出てる!』といった、にわかには信じられない情報だった。まさかと思い、半信半疑でTVを点けてザッピングすると、TVの画面には確かにきゅんみっしょんの3人が映っていたのである。

番組内容は、お笑いグループ・バイきんぐの小峠が彼女たちをプロデュースするという企画で、彼女たちの自己紹介やオリジナル曲のコールを作るほか、オリジナルグッズを一緒に制作するというもの。まだデビューしたばかりながら、きゅんみっしょんというアイドルグループの魅力を伝えるのに充分すぎる構成となっていた。また、番組内で実際に作られた間奏部分のコール『羽、輪っか、雲、白い……みんなで一緒に堕天使いくよ!』は、放送後に実際のライブでもファンと一体になって盛り上がるパートとなって親しまれていった。

そして番組効果もあってか彼女たちのSNSアアウントの数字は爆増し、知名度やライブの動員も上昇(…していたように見えた。個人の感想です!)。きゅんみっしょんと交流のあるアイドル運営同士では「あの子たち、なんだかすごいよね」なんて話題も出るようになり、筆者自身も悔しいながら、心のどこかで『あの子たち、ひょっとするとひょっとするかも?』いう期待感でワクワクしていたのも事実であった。

ゆうか

良くも悪くも目が離せなかったきゅんみっしょん

さて、TV出演後のきゅんみっしょんは、2021年5月に新メンバーのゆうりとななせを迎えて初の5人編成になり、その勢いのまま6月にはオリジナル曲『ʚきゅん♡みっしょんɞ』の自作MVを制作&公開。

続く2021年8月には3曲入りミニアルバム『ʚきゅん♡みっしょんɞ』をリリース。しかもメディアは手製のCD-R盤ながらダイキサウンド協力の元、アルバムはタワレコにも置かれたうえ、タワレコでのリリースイベントも行っている。ちなみに筆者はライブ後の物販ではなく、敢えてタワレコで買いたいと思い、わざわざタワレコ渋谷店まで買いに行ったのであった。

同時期にはミニアルバムに収録された新曲『Calling』の自作MVを公開している。この曲は対バンライブでは使いどころが難しいミディアムテンポの曲なのだが、『ミニアルバムのラスト3曲目にこういった曲が欲しい』といったコンセプトで作られた曲ではないかと勝手に深読みした当時の筆者である。

それにしても、お披露目直後のTV出演に始まり、2曲のMV公開、新メンバー2人加入、CDリリースと、ここまででお披露目から5か月しか経ってないのだから恐るべきスピード感できゅんみっしょんが攻め続けていたことが伺える。

さて、CDリリースをした直後の同8月になのが脱退してしまい、ちや・ゆうか・ゆうり・ななせの4人編成になっている。この編成時の個人的なトピックは2021年12月12日(日)に渋谷club Malcolmであまりりすときゅんみっしょんでツーマンライブを開催したことだ。実はこの日、あまりりすは『新メンバー公開オーディション』というあまりに無謀な施策を打って告知するも、見事に応募者はゼロ。困った筆者とメンバーは、空いたライブハウスの時間枠を埋めるべく、急遽きゅんみっしょんにツーマンライブの企画を打診、即快諾頂いての開催となったのだが、なんとそれはツーマンライブ開催前日の夜のことであった。

ツーマンライブではお互いのライブ中にコラボ曲を挟み、ラストはお互いのメンバーが全員集合してのパフォーマンスで締めくくりと、突貫ながらもきゅんみっしょんのおかげで楽しくも見どころのあるイベントを作ることができたのである。今、改めて当時のきゅんみっしょんのメンバーに感謝の気持ちでいっぱいである。あの時は本当にありがとう。

年が明けて2022年3月20日(日)に1周年記念ワンマンライブを新宿SAMURAIで敢行し成功させ、その1か月後の2022年4月には新メンバーのりり・みかんが加入して6人編成になるも、2024年6月にはみかんが脱退となり5人編成になる。この時点で最終メンバーの5人が確定し、ここからラストまできゅんみっしょんは一部メンバーの活動休止等はあったものの、ちや・ゆうか・ゆうり・ななせ・りりの5人で駆け抜けていくことになる。

余談だがライブ活動が続く日々においては20歳前後の女の子たちだけで活動しているグループらしい、ちょっと抜けた面も見せてくれたことが何度かあったのも、筆者がきゅんみっしょんを記憶に残るグループのひとつになっている理由でもある。

例えば、とあるライブの物販中では突然チェキ機が壊れてしまったために予備を貸してあげたうえで「チェキ機は突然壊れるから2台持ちしたほうがいいかもね」とアドバイスしたことがあった。

またとあるライブの出番前では使い込んで裏面傷だらけのCD-RがとあるライブハウスのPAデッキで再生できない事件が発生し、たまたま居合わせた筆者が自分のドライブでなんとか読み込めたので一旦音源を取り出して新しいCD-Rに焼きなおすことでトラブルを回避できたことがあった、等である。

そんなこんなで当初から『この子たち、すごいな…!』と思うことが多かった反面、同時に「大丈夫か、この子たち…?」と思うことも多かったのである。結果、『なんだか放っておけない子たち』という印象も自分自身に与えてくれるようになってしまい、同じ現場にいなくても『あの子たち、今日は大丈夫かな…』なんて気にしてしまうようになってしまったのである。

自分たちの強さと弱さを同時に見せつつ、ノーガードで攻め続けることで、周りの運営まで引き込んでしまうなんて、やっぱり彼女たちは凄かったのかもしれない……。嘘、ごめん。きっとただの天然だったんだと思う。

りり

最後に見せてくれた素敵なエンディング

話が逸れまくったが、5人編成になったきゅんみっしょんの話に戻そう。

前述のとおり、2022年6月に5人編成になった彼女たちはその5人でラストまで駆け抜けていくことになるのだが、最後の最後に素晴らしいグループのエンディングを作って見せてくれたのである。そのエンディングとは『2021年3月21日のお披露目からちょうど2年後の2023年3月21日に、お披露目した場所と同じ渋谷スターラウンジでワンマンライブを行う』というものだった。

お披露目の時こそ大々的にアピールするアイドルグループが多いものも、終わりはだいたいグダグダ、なんてことも多い地下アイドル界において、グループが最高の状態の時にきっちりとエンディングを作って見せてくれたことは、最後の最後にまた『きゅんみっしょん、やってくれたな』と筆者に刺激を与えてくれるのに充分な出来事だったのである。

そんな素敵なきゅんみっしょんのエンディングとなった渋谷スターラウンジでの無期限活動休止ライブを筆者も後方関係者面しながら観ていたのだが『きゅんみがいたこの2年間、色々なことがあったなぁ……』と自分自身も振り返りながら感傷的になり、同時に100人を超える人で埋め尽くされた渋谷スターラウンジのフロアの光景を見て、泣きそうになっていたのも事実である。

そして、その瞬間ひとつのことに気づいたのである。

『あ、自分はずっときゅんみっしょんのことが好きだったんだ……』

と。

最後の最後で自分の気持ちに気づくなんて遅すぎるよ、次のライブもう無いじゃんか……と後悔したのも、もう今から2年前のことだなんて懐かしすぎるな。

ちなみに渋谷スターラウンジでのライブ後に、ファンへの最後のプレゼントとでもいうべく、『DANCING GAME』と『Angely sign』のMVを公開している。

さて、ここで改めてきゅんみっしょんの最終メンバーの紹介を筆者からしてみたいと思う。

リーダーとして牽引してきたちやは『エンジェルマザー』を自称しつつも、時にはグループのために天使どころとか鬼になってメンバーに接したこともあったかもしれない。彼女から滲み出る厳しさと優しさあったからこそ、きゅんみっしょんは2年間しっかりと活動できていたのかもしれない。

ちや同様お披露目から参加のゆうかは、「落ち着きがなさすぎて…」なんて自己紹介口上があったものの、見事ラストまで駆け抜け、落ち着きないどころかしっかり地に足を付けて落ち着いて活動できていたのではないかと思う。最初のオリ曲『ʚきゅん♡みっしょんɞ』の作詞もグループのイメージを作った良い仕事だった。

2期で加入したうちの1人、ゆうりはメンバー中でも一番のお姉さん的雰囲気のキャラが魅力で、グループのオリジナル曲の振り付け作成を担っていたこと等、クリエイティブな面でも貢献度が高かった点も見逃せない。

2期加入もう1人ななせは「見つけてくれるの待ってたよ」の口上に見られるように、自ら前へ行くタイプではなく、どちらかというと控えめな存在。そんな彼女の魅力に気づいて『見つけた人』が推しになっていったのだと思う。また、グループの経理も担当するなど、才色兼備な面も彼女の魅力だったことは間違いない。

最後は3期加入のりり。最年少で典型的な妹キャラで、元気いっぱいなパフォーマンスが魅力だった彼女も、今では後継的グループ▷こすもえっ!♡.cuteのリーダーで最年長としてグループを牽引している立場に。時の流れは速いものである。

駆け足できゅんみっしょんがいた2年間を筆者視点で振り返ってみたのだが、改めて思うのはセルフプロデュースの良さを最大限に生かした行動力と、セルフながらしっかりと統率の取れた運営スタイルで安定した活動を続けられたことから、セルフプロデュースのアイドルとしては充分成功した部類に入ると思うし、今後セルフで活動したいと思っているアイドルにとっては、参考であり目標にしても良いのではないだろうか。

ここで冒頭の話に戻るのだが、ここまで当時の2年間に及ぶ活動と魅力を交えて語ってきたきゅんみっしょんが2025年3月20日に秋葉原SOUND NOTE にて1夜限りの復活ライブを行う。

当然、筆者も当日を楽しみにしている人の一人である。実は復活ライブの開催が発表されたタイミングで、ひそかに『これは個人的にチケットを買ってライブに遊びに行っちゃおう…!』と目論んでいたのだが、とあるライブ現場でちやから「イオナさん、3月のきゅんみこすもえのツーマン、チェキスタお手伝いお願いしますね」とソツなく打診され、スタッフとしても参加することに。さすが、相変わらず仕事できる運営である。

そんなこんなで、復活ライブ当日は同窓会のような雰囲気も合わせて集まったみんなできゅんみっしょん復活ライブを楽しもうではないか!

(Text:風のイオナ / 写真提供: ʚきゅん♡みっしょんɞ)


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