SOMOSOMO サカイPインタビュー「『SOMOSOMOは革命を起こさないといけない』って思ったんです。」

SOMOSOMOのメンバーのアルティメット ミキが当時セルフユニットの練習みたいな感じで路上ライブをやっているのを見たのがきっかけですね。
元々お笑いをやっている時に＠JAMのトークステージのMCをしたりとか色々なところでアイドルのお仕事はさせてもらっていて繋がりとかはあったんですけど、全然アイドルのプロデューサーになりたかったっていうのは無かったんです。
その路上ライブも、観客といってもミキの友だちがひとりだけ見ている感じだったんですよね。それ以外は僕と当時の事務所の代表が見ているというだけで。そうなるとライブが終わったら当然話す感じになるじゃないですか、その時に話を聞いたら「曲もあるし、衣装もあって、2人組のセルフプロデュースで今度デビューするんです」って言ってて、「でもチェキのスタッフだったり、危ないことがあった時に守ってくれるような、大人の男性がいないんですよね」みたいに話をしていて、で、僕が芸人としてアイドル業界と関わってることも彼女としては知ってくれていたので、『金なんか全然いらんし、協力できることあるかも知らんからなんか手伝おうか？』みたいな感じで始まったんです。結局そのセルフユニットは3ヶ月くらいで解散になっちゃったんですけどね。

実は、デビュー1、2ヶ月くらいから人数が多いグループさんと対バンでぶつかるとやっぱりパワーで負けてしまって、セルフで2人でやるっていうのも限界があるんじゃないかなっていうことを話をしてました。
ミキといっしょに組んでいた相方がいろんな理由があって辞めることになったので、僕がメンバーも集めたり立ち上げの費用を出すからプロデューサーという形になっていったというところですね。
だから、SOMOSOMOの元を正せば、僕がアイドルのプロデューサーでやろうという形で始まったプロジェクトではないんですよね、実は。

そうですね、今年の2月でちょうど5年に半になりますね。

やっぱり1番デカイのはコロナだと思いますね。
そのせいで、アイドルシーンは無駄なものがすごい省かれたような気がしてます。

僕、無駄なものってめちゃくちゃ面白いなと思ってて、無駄なものからいろんなことが生まれるなって。
よく「失敗から得るものがある」とか言うじゃないですか。 失敗した実験から何か新しい発明ができたとか。僕の言う無駄ってそれに近くて。

それこそ僕はお笑い芸人だったので、昔のアイドルシーンって例えばライブにバラエティの企画があったりとかしましたし、各グループに1人は名物じゃないですけど芸人さんがいた訳ですよ。AKBさんだたらバットボーイズさん、乃木坂さんならバナナマンさんだったりとか。そういう系譜がずっとあったと思ったんですけど、コロナが流行ってお金の面もそうだし、無駄な動きをしてしまって感染させてしまったりとか、ステージに多くの人を上げるとか、身体を張った企画とかも無くなってきた訳ですよ。
そこでSNSの需要が伸びてきた。大小問わずしっかりエンターテインメントに対して向き合ってる事務所さんってSNSの力を持っているグループであったりとか個人にすごくフォーカスされてしまうようになってきたんです。結局SNSを見てる人って『あの子の可愛いところが見たい』『あの子の歌が見たい』って思っているし、SNSに投稿する側もその見たいってところをちゃんと自分で自己分析した上でネットの海にめっちゃ投稿してると思うんですよ。カワイイならカワイイを、カッコイイならカッコイイを投稿し続ける。
対バンイベントも、ただお目当てのグループだけ見て帰るって人が多い。イベンターも業界全体もそれが1番美味しいから文句が生まれないので、その部分だけフォーカスするようになっているなって。
これって僕は実に危機的な状況だと思っているんだけど、結果的にお金が回ってしまっているからそういう状況になっているんですよね。このままだとカルチャー的なものとビジネスが分離されて、結果としてある程度生き残るという業界になってしまうのかなって思います。

いやぁ、結局それがめちゃくちゃでかいと思いますよ。僕も独立して思いましたもん。
それまではいろんな運営さんとか業界に対して、「なんだよ、面白くないな」とか、「メンバーのこと思ってんのかよ」とか「お客さんのこと思ってますか？」ってすごい思ってたんですけど、やっぱり借金をしててリスク背負って独立すると「もうしゃぁないな」って。
リスク取ってる人間は、別にメンバーを売らさなくても、対バンにある程度出て、10人とか15人お客さん来たら、「まあまあ来たね」ってなって、その上でメンバー1人にガチ恋のオタクがついて、チェキをずっと回してもらって、自分も30万円とか40万円の手残りがあるってこの日本社会で言ったら、ある程度のお給料じゃないですか。
で、メンバーはメンバーで、その実力に対しての歩合というもので渡していけば、メンバーに対しても説明ができるし、「お客さん今10人しかいないよね、じゃあこれしか入らないよね」っていうだけの話ですよ。それでもしゃあないのかなってのは、すごい思いました。
前は綺麗事を思ってましたけど、逆に言えばこういうインディーの業界っていうものに対しても、ダメだとは思わなくはなりました。仕方ないなと思うようにはなりましたけど。でも、やっぱり上に行くためには、そこを変えていかないと絶対上に行かれへんかなとも思いました。

そうですね。前の事務所は元々僕らのお笑いコンビの個人事務所だったので、最初はアイドルはSOMOSOMOしかもちろんいなくて、タレントは僕らのお笑いコンビだけだった状況だったので、『変わった』というよりも今は『戻った』って感じですかね。
でも、やっぱりだんだんグループが増えていって一番多くて6グループくらいはあったんですけど、そうなった時に、もちろん自分が選んでグループが増えていった部分があるので、一概に事務所がどうだとかってことではないんですけど、その時の自分のキャパであったりとか、本来やりたいことっていうのがだんだんずれていくというか、自分が勝手に見失っていきました（笑）
グループが増えることで仲間も増えるし、いろんなストーリーも見れるからその部分ではすごい楽しかったし、全く後悔もしてないし、またいずれか何かでやりたいなとも思ったりする時もあったりはします。
ミキと出会って、SOMOSOMOができたのは当時僕がお笑いやりだして多分8年目、9年目ぐらいだったと思うんですけど、何も知らない所やいろんなところに行って、いろんなアーティストとかアイドルの人に会って勉強して、二人三脚で泥だらけで進んでいく感じが「あ、これってお笑いやり出した時の最初の時に似てる」と思ったんです。
独立して今はスタッフが3人いるんですけど、また二人三脚で泥だらけだった始めた頃にSOMOSOMOを戻そうっていう感じですね。

その思いのほうが強かったですね。
SOMOSOMOってグループ自体が割と独立して動いているところも結構あるので、対バンにはそこまでいっぱい出ている訳ではないんですよ。
でも、箱を持ってて、グループも4・5組いたら助かるなと思いますし、ビジネス的にも良いところあるかなとは思います。だけど、収益的な部分を見ると複数のグループをやっていた時よりも今のほうが多いですし、グループを増やすばかりじゃなくて、1つのグループをしっかり伸ばすほうが良いんじゃないかなとは思っています。

全然！何でも聞いて下さい！！

全然割り切ってないですよ（笑）もう、ずっと悔しかったです。悔しくて悔しくてその気持があるから今がありますね。
2019年デビューして、結成半年ぐらいにMilkywayがパンパンになったんです。
その2019年のコロナ前のライブの盛り上がりの中心となるような盛り上がり方をSOMOSOMOがしてるわけですよ。ミックスコールがあって、中にはリフトして、みたいな。
特にあの時は天晴れ!原宿（現：Appare!）さんを中心に、いわゆる沸き現場というグループさんがすごい台頭してた時期だったので、それに続けっていう感じで、すごくいい感じだったんですけど…。
それでコロナになっちゃって、そこからみんなSNSが上手いので、何とかミキを中心に割と注目を集めてくれてはいたからコロナ禍でも、SOMOSOMOは別にめちゃくちゃダメになったってわけじゃなかったですね。

そこからさっき言ったように、事務所でグループが増えていくことによって、徐々にSOMOSOMOを含めて全部に対する熱量がやっぱり割られてしまった。例えばメンバーに対してのマネジメントであったり、プロデュースっていうのが、どんどん、どんどん、ちょっとずつ薄くなっていってしまって、そこでやっぱり数字が落ちたって感じですかね。

まさにその通りです。

メンバーだけじゃなくて、お客さんの熱量もですね。メンバーに熱量かけるってことは、自分のお客さんにも熱量かける、お客さんに対するマネジメントだったりもするので。

めちゃくちゃ多いですね。

戻ってくるというか、SOMOSOMOはワンマンも多いので節目節目に来てくれる方は今でも全然います。いますけど、でも、やっぱり常に現場に来てくれるお客さんはガラッと変わったと思いますよ。
独立したとき対バンの動員が1桁だったんで…。で、単独をやると言っても20人とか30人くらいで本当に「えっ…」みたいな感じです。

周りから見てもなってたと思いますよ、『SOMOSOMOはもう無理だろう』みたいな。それはめちゃくちゃ認識してました。

具体的にはストーリー作りですね。
マーケティングなどの話ですごいよく出たりするんですけど『商品を売るんじゃなくて、ストーリーを売れ』って。これって本当によく言った言葉で、『SOMOSOMOという人を売っていく』というところから『SOMOSOMOというストーリーを売っていく』っていう風にしました。
どん底だったんで動員も出ないから扱いも雑にされていくし、でもそれはもう仕方がないので。そうなったらうちらは捨てるものがないから。『今、借金もある』ってことも言うし、動員も本当に4、5人とかのときがあったんです、そんな動員数を正直に言うのは恥ずかしいって思う運営もいっぱいいると思うんです。僕らみたいに4年ぐらい活動してると『そんな数字言えない』みたいに逆に隠してどうしても良い方に見せるじゃないですか。うちはそこの逆をしたのが1つデカかったんじゃないんですかね？

独立する前のSOMOSOMOはまさしくそうで、動員も有るように見せていたし、動員出るような雰囲気で展開していってましたね。

そうですね。
前の事務所の時、SOMOSOMOは祀り上げられていたので。
グループの数も多いと妹グループの子たちはSOMOSOMOを見て入ってるから、『SOMOSOMOさん！SOMOSOMOさん！！』ってなるし、『SOMOSOMOの〇〇ちゃんに憧れて入りました』って子もいっぱいいましたし。 で、そうなると必然的に序列というのはできますよね。
やっぱりSOMOSOMOのほうが良いイベントに出れるし、事務所としてもSOMOSOMOは評価も得ていたので。
別にメンバーが怠慢でいい加減な態度で活動してるのにも関わらず祀り上げられわけじゃなくて、メンバー自身も頑張ってたのは間違いないです。でも『張りぼて』って言い方は正しいかわからないですけど、作られたブランディングっでやってたんですよね。
独立した今はそのメッキが剥がれた状態なんで、この状態でどうして這い上がっていくかってことを考えたって感じですかね。

僕自身がお客さんに対するマネジメントをするってところですね。
一つは、最近できていないですけどライブ配信であったりとか、今回のインタビューであったりとか、お客さんに対して『SOMOSOMOを売らすために俺たちといっしょに動いて行こうぜ』って発信すること。
あとは、ライブアイドルの運営のみならずお客さん商売で大事なのは、店や運営側とお客さんとの間で意思の疎通ができていなくて憶測が広がってお客さんが離れていくってめちゃくちゃあるじゃないですか。特にライブアイドル業界なんかすごく多い。そうならないように、お客さんと可能な限り対話していく、話を聞くってことはめっちゃやりましたし、今もやってます。
他にも具体的な戦略は有るんですけど、聞いてもらえたら話します（笑）

できないですね。全グループのお客さんの表情もSNSもやっぱり見れないですし、それ以前にお客さんの把握ができないですよね。

僕なりにはしてるつもりですね。
あと、グループを推すというのは、メンバーや曲を推すだけじゃなくて、その中に運営を推すということが入るというのを再確認させられましたね。

もうずっとこの業界に入った時から、 僕自身も多分胡散臭いなってのはすごい思われてたと思うんですけど（笑）
でも、明らかに見た目が胡散臭い人がいっぱいいるじゃないですか。センスがあるまではいかなくていいんですよ、あくまで普通でいいのに。そういう人をみると『なんでこんな奴にアイドルとしてついていくの？』って思うんですよね。
僕は一応お笑いをやっていて、割とちゃんとした芸能のところから来たんで、現場にスーツやジャケットまではいかなくてもオフィスカジュアルを着てこないマネージャーが多いことに驚いたんです。言い方悪いですけど『なんでこんな終わってんだろう』って思ったし、そんな運営には絶対僕はついていきたくないし、お客さんもなんでこんな運営を推してんだろうっていうかって思っていたので、それを再確認しましたね。

よりグループを売らせるためには、運営やメンバーだけが頑張っても仕方ないと思いました。
お客さんが5、6人いかないくらい時から対バン来てくれるそのファンの人に声かけしましたね。
どんな状況で独立したかもそのファンは知ってるわけじゃないですか。だからメンバーも運営もファンもスクラム組むぞってやった感じです。『お前らやるぞ！俺らで行くぞ！』って感じでね。

ここでパッと変わったっていうわけではないんですけど、やっぱり新メンバーとしてアオイアオネ、シャンシャンマイ、トマラナイチヒロの3人が加入したっていうところですかね。

まずは人間性ですよね。まずはそこです。
これもお笑いやってたから良かったなと思ったんですけど、特に大阪の芸人だったので、人を見るわけですよ。
喋り方、目線、身振り手振り、相づちの打ち方とか。それを見て、『この人は今こう思ってるんだな』っていうのを感じ取るんです。
人間性がないとまず続かないですよね。人間性が真っ直ぐしている、一生懸命やれる、グループとして頑張れるなっていう人っていうようなところを見たのが1番ですかね。
僕らはそうじゃないと採れないってなってたんで。
メンバー含めて4人で独立しましたけど、4人で独立できるかもわかんなかったです。前の事務所に残る、それとも残らずにそのまま辞めるという選択肢もあった上で、ギリギリの状態で4人でもう1回ちょっとやってみるかって言って始まってるんで。その上で、この歴史をあまり知らない3人が入るっていうことに対しての不安もすごいあったんですよね。
でも、さっき言ったように、もう今は背水の陣というかギリギリの状態で、毎月借金も返していかないといけない。『これはもう行動するしかない』ってことで。一人、二人じゃなくて、3人入れようって。で、新しいSOMOSOMOを作らないといけないかなって。
その上での人間性です。

それ以外だと今回のオーディションならやっぱり実力ですね。
でも、僕の話をちゃんと聞いてくれる人じゃないとダメでしたね。
よく運営がミスるとこなんですけど、『強い子を集めたらいい』ってなるんです。でも僕はそんなこと全然思ってなくて。人間性がちゃんとしていて、前世があるのであればしっかりその前世を打ち消せる、『前世はもう無いんだ』ということをを理解できる子のほうが重要ですね。
あとSNSも含めて『ビジュアル重要』ってよく言われますけど、結局そういうのって後から付いてくるんです。可愛くもなりますし、可愛さだけじゃなくてもアイドルはいろんな売り出し方ができるんで。ほんと人間性って部分と今回に関しては初めて前世が多少ある子がいいなっていうところですね。

前の事務所の時とか山ほどオーディションしてきましたけど、その時は『アイドルやってない子にしましょう』っていうところを中心でずっと見てましたけど、SOMOSOMOというグループ自体を本当に早く立て直さないといけない。独立をしたっていう部分で、お客さんはやっぱり数は少なくなってしまったんですけど、逆に応援してくれるお客さんはそこを見てくれているんで。 で、僕らともスクラム組んでやるぞってなってる状態なので『なんでこんな子入れたの？』ってなる可能性も全然ある。だからやっぱりアイドルとしての活動をある程度理解した上で、しっかり活動できるっていうところ前世があった方が良いと考えた理由ですね。

いやもう足りないピースしか無かったですよ（笑）
今でも全然足りないと思っています、特にうちはSNS、空中戦ですね。やってないことばかりなので…。まだまだできます。

やっと2年経って、お客さんもライブアイドル業界全体の中で見れば今は真ん中ぐらいになったかなって。対バン出れば30人とかは来てくれるし、ワンマンやれば100人、大規模なワンマンやったら4、500人は来てくれるんで、中堅クラスのグループになってはいると思うんですけど、今より上に行くには全然空中戦ができてない。常日頃からいろんなものを発信して、いろんな角度からSOMOSOMOの現場にお客さんとして来てくれたり、注目してもらえるような環境はまだまだできてないので。
結局まだライブアイドルというか、オフラインでずっと頑張って活動してるところがやっぱどうしても強いので。でもそういう見返りが少ないところにも宣伝広告費として打てる資金っていうのがちょっとずつできてきたので、今年はガンガン注力してお金割いてやろうかなって思ってます。

今の運営さんは特に、もうデビューした時からやらないといけないと思いますけどね。
TikTokでもYouTubeでもインスタもですけど数千円から広告が打てちゃう。
それこそTikTokなんか2、3000円払えば1万再生くらい保証されるのでそれだけ見てもらえる。ハマるかわからないけど、リーチはできるので普通にやるべきだって思いますよ。
大手の広告代理店にお金どさっと投げて、『このプロジェクトでやりましょう』っていうレベルではない、僕らでも直接広告出せるのはめちゃくちゃデカいです。
でも、アイドル運営さんは本当にやっていない。いろんな界隈の運営さんと結構話したりするんですけど、興味が無くてその部分を見てないですね。SNSもちょっと広告で課金するだけで伸びたりするし、駅の広告も意外と調べれば案外安かったりするので、やり方はたくさんあるんですよ。

僕はファンの方は賢いなって思います。よく見てるし。ほんとすげぇって思います。
特に現場に足を運んでくれている数が多い人ほど実は稼いでますからね（笑）
でも、運営ってファンの方に対して尖っちゃうんですよね。『こっちの内情なんて分かんねぇのに』って。そうじゃなくて、ファンの方に対しても内情を理解させてないのがダメだなって思っています。
ファンの方は味方ですから、だからファンと敵対するアイドル運営さんって何も考えて無いんだなって。僕は接客業と思っています。特に現場にいる時はプロデューサーじゃないですから（笑）

今年は『業界の人に好かれてもらうようにする』ですかね。好かれないとダメです。これもある意味空中戦なんですけどね（笑）
アイドル運営さん以外にもスピーカーとなってくれるような人たちと取り入れないのかって思います。
ライブアイドルの運営さんってリターンが見えなかったり少ないことはやりたがらないですよね。実はスピーカーとなってくれる人たちがどれだけ大切で、その人たちがどれだけ何かを広げてくれる可能性があるかって重要性を理解してないと思うんですよ。
多くの運営さんはチェキを売ってお金を稼ぐ、ライブを打ってチケット代取る、Tシャツを作ってお金を取るしか知らないんですよ。だから、スピーカーの人たちを巻き込むっていうことに対してのメリットも感じないんですよ。話聞きたいって言っても『面倒くせぇ。これお金になるの？』って思っちゃう。
スピーカーの人に知ってもらえるとその人が他の誰かに話してくれるかもしれないじゃないですか。芸能なんてそれでしかないんですよ。

そこが無いのが悩みでもあるんですけど…。
みんなハッピーになればいいなっていうぐらいしかなくて（笑）
でも、独立してここに注力したほうが効果的なんだってある程度わかってきて、使えるお金なども多少増えてきたので、そうなってくると目標とかが見えてくるのかなって。
もうこの1、2年はほんとがむしゃらに、もちろんまだまだがむしゃらにやるんですけど、独立して1年はもう尚更死にかけの状態でZeppもやったし。で、この1年はまたそこをさらに上がったんで、空中戦仕掛けていった上での反応とか見て、『じゃあほんまに1万人のとこでできるかも』とか思うかも知れないし、逆にまだ先かなって思うかも知れないですし。

近いかもしれないですね。 でも、SOMOSOMOっていうグループ自体の終わりは決めてないので。
例えば10年で終わるとかも無いし、できる限りみんな歌ってダンスしてっていうところがあって。みんながいる限りは続けたいなとは思ってるものなので。やりながら、さいたまスーパーアリーナや横浜アリーナみたいな1万人クラスでやれるように目標を定めてやろうっていうのもあるかも知れないし…。それは今後かな。
大きい目標を立てると悪い意味で疲弊しちゃう、それは嫌だから目標を立てないっていうのもあります。
ただ、独立してからのZepp2公演は無茶なことをしたんですけど、それくらいの何かの光が無いとヤバかったですね（笑）
あれがなければSOMOSOMOは沈んでいったと思っています。

そうです。
さっき新メンバーが入ったって言ったのがターニングポイントになった理由で挙げたんですけど、 それだけじゃここまで上がってきてはなかったと思いますね。今みたいな盛り上がりというか、雰囲気は作れてなかった。
やっぱりZeppでの2公演っていうのがあって、ライブアイドル業界の知ってる人たちからしたら、『SOMOSOMO、Zeppやるんねや！！』というのは刷り込めたので。メンバーのモチベーションもですね。
というのやったらいいんですけど、うちはちゃんと堅実に1個1個全員が足並み揃えて、お客さんの財布も諸々含めて上に上がっていこうと。その先で横浜アリーナとか東京ドームとかあったらいいなとは思います。

イベントって主催とアイドル運営の二人三脚かなって思っていて。
動員という話になると、お客さんに『行こう』と思うイベントを作れてないイベンターにも責任はあると思うんですよね。一方、僕らは使わないんですけど、『動員重要ライブ』とかあるじゃないですか。 あれを使う運営って『ちょっとなぁ』って思いますけど、でも選ばれるライブってあるのも事実なのでそれに選ばれてないイベンターはダメですよ。
だからと言って出る以上は、言うたら箱代とか色々向こうお金を利用させてもらってるわけじゃないですか、その上でお客さんを呼べないっていうアイドル側もビジネスとしても良くないので、お互様かなって。アイドル運営とイベンターが二人三脚で、ちゃんとお互いが歩み寄って頑張らないといけないなって思いますね。

もっとタレントとして動きたいなって感じですかね、それがデカイっす。
今お笑いコンビを解散してもう4年ぐらい経つのかな？今は『元芸人』みたいな言い方はしてますけど、漫才してないから芸人って言いづらいなというか、自分の中でもちょっとモヤっとする部分があるから何か辞めたみたいな感じにはしてるんですけど。別にずっと毎月トークイベントはやってるし、それ以外でもステージ上に立って突っ込んだりボケたりとかっていうのをやってはいるし、配信もしたり、あとラジオも今レギュラーでやってるんで、そういった意味ではタレント活動をやってないわけではないのですけど。
でもなんか、SOMOSOMOというグループとの差別化もそうだし、僕のイメージとしてももうちょっとワイワイワイワイ動いてる方が画にもなるし、あとはお客さんのマネジメントっていう部分でも、どんどんどんどん露出を増やして、僕の考え方やお客さんに熱量を伝える配信っていうのも、今は不定期になってるんですけど、定期的に『毎週何曜日何時からやる』って感じで決めて、アイドル界についてとかも僕なりにどんどんどんどん表現していきたいなと思ってるんで、そういう活動をやるのも結果SOMOSOMOを大きくするための1つの動きかなと思っているんで、そういうタレント的な動きをしていきたいですね。

そうですね。
昭和の怪獣映画や活劇的な感じにしてみました（笑）

このインタビュー時点では今ちょうど色々進めている状況です。もちろんメインは90分間ガンガン曲やってるっていう所はブラさず。ただ、SOMOSOMOであまりやってこなかったような前後の演出はしようかなとは思ってますね。
で、『ヱビス大号令』ってことなんで、本当に全国からSOMOSOMOからの命令、指令を聞いてもらう。そこが1番のメインです。

ぶち上げる感じです。
もちろん、ワンマンをやるぞっていうので、パフォーマンスもぶちかますんですけど。言うたら、革命を起こさないといけないと思ってるんです。
さっき言った運営周りでも、やっぱりいろんな人たちも味方につけてやっていかなあかんし、いろんなものに対して空中戦もやらなあかんしっていうところも含めた上で、ストーリーですね。
明確に、ここを倒して、この山を超えていかなければいけないというのがWACKなんです。
めちゃくちゃ強いし、でかいし、尊敬もしてるし、愛もめちゃくちゃあるんですけど、メジャーリーガーの大谷選手の『憧れるのをやめましょう。』じゃないですけど、やっぱりWACKに憧れるじゃダメですよって。
僕らの系譜で言ったら、トップはWACK。WACKを超えていくことが新しいシーンを作ることだし、大きな影響を与えることができるかなと思うんで。
倒すってことが目標じゃないですけど、『WACKを乗り越えてもっと大きくなっていくんだ』っていうストーリーを見せていきたいですね。それでお客さんを巻き込んで、お客さんも主人公にしている感じです。

あります。
この前、野音でもやったんですけど、それが『NEW AGE』ですね。
ライブシーンとしたら下北沢界隈ということで、さとりモンスターさんやわれプワ（われらがプワプワプーワプワ）さんとかと一緒にやってます。
SOMOSOMOとしたら自分たちでやりつつ、そういうグループさんと一緒にやるという2軸あると言っていいかもしれないですね。さとりモンスターさんやわれプワさんとかは同じ波長でやっているので近い肌感でライブ運営やイベントを作ったりはできてるんでね。

超えていかないと何も変わらないんです。
僕の中でめちゃくちゃあったんですよ。去年BiSの初代メンバーが10年ぶりに復活したじゃないですか。 あれ見た時に、結構今のSOMOSOMOに繋がったんです。でもちょっと稚拙な表現になるんですけど、腹立たしくなっちゃって。
まだ初期BiSの亡霊に僕らの系譜のアイドルファンやアイドルが踊らされているんだと思ったんですよ。
元々相方がBiSHやBiSが好きだったから、その紹介で知ったんです。芸人の時にも渡辺さん（編集部注：WACKの渡辺淳之介氏）の助言があって、色々やれたことがいっぱいあったんですよ、実際。 だから尊敬もしてるし、好きだし、歴史も自分なりにアーカイブなんか見たり調べたりして追いかけてきてはいるんですけど、ふとした時にファンは良いとして、これを喜んでいる奴は悔しく無いのかと思ったんですよ、アイドルも含めて。
特にアイドルって人生で1番大切な時期を使って活動してるのに、周りが「BiSすごい！」 「やっぱり伝説だ！」とかなっていることに悔しくないのかと。今のアイドルシーンはお前たちのシーンで、お前たちが今、汗水流して、魂削って、いろんなものを我慢して、 かけがえのないことをやってるのに悔しくないのかと。
もしかしたら、言ってないだけで僕と同じように悔し良い思いをして、それくらいの気持ちをもって活動しているアイドルもいるかもしれないので、一概には言えないですけどね。
でも、お笑い始めた時みたいに『M-1を獲る』じゃないけど、テレビのスターになりたいって思ってやり始めた時のことを思い出したんです、僕はそれで『SOMOSOMOは革命を起こさないといけない』って思ったんです。

その通りです！
最近リバイバルばっかりじゃないですか、2016、17、18年頃の時代を結局ずっと繰り返すだけだからおもろいものを作れていないんですよ、伝説を作れていないんですよ。
渡辺さんのインタビューを読んだんですけど「この10年は失われた10年だった」って。作った人が言ってるんですよ。でも本当にその通りだなって思って。
もちろん僕もBiSを含めてWACKは好きだし。でも好きだからこそ、そこを超えるためにやっている人っているのかなって。結局ずっと憧れているだけだから超えていけない。
でも、去年の11月に豆柴の大群さんとツーマンをやらせてもらったので、徐々に引っ張り出して、戦って、うちら活きが良いぞというところ見せられたらと思いますね。

そうですね、SOMOSOMOの歴史では今が一番お客さんも来てくれてるし、売り上げも出せてるかなってのは正直思います。さっき言ったことと被ってしまうんですけど、空中戦であったりとか、今メンバーが持てる全力ってものをライブだけで終わらすんじゃなくて、ちゃんといろんなものに乗せて、いろんな人の目に入るようにしていきたいなと。今年1年やったら動員とかの数字の部分でも過去最高を叩き出せるんじゃないかなって希望があってやっていますね。

今、600の動員目標でやっているので、その目標を達成できたら2月26日LIQUIDROOMは最高の景色になると思うので、SOMOSOMOのその先を見て欲しいと思いますね。